アンカーリングを学ぶ意味

2010.10.24 Sun



当スクールでは、スクールカリュキュラムとして、いくつかの
アンカーリングテクニックを講習している。
クルージングに出た時、入り江奥深いところでアンカーリングして
静かな、深い闇の夜を、自分の船の上で過ごすことは至福だ。
カナダの海は、素敵なアンカーリングスポットが沢山あり
それをしないことは、クルージング最大の楽しみをヘッジしてしまうことに
なりかねない。

日本ではどうだ・・・。
三重県の東海岸はリアス式の海岸線が複雑に入り組み
実はアンカーリングして過ごすことができる場所が少なくない。
スクールをしながら、そんなスポットを紹介していきたいと思ってるが
そこでそうして過ごしているヨッティーは実は少ない。
せいぜい、夏の海水浴場の沖にアンカーを打って遊ぶくらい・・・。
旅の途中、一夜を過ごすのは漁港か、マリーナ。
これは文化か。

アンカーリングの意味は他にもある。
・・というか、これが重要だ。
最悪の状況になったっとき、アンカーを打って、そこにとどまる。
30ノットを超える風、向きはリーショア(岸向きの風)。
そして、エンジンが壊れる。
ヨットはタッキングを繰り返すが、波と風でリーウェイし
次第に岸辺が近くなる。
そんなとき、最後の手段、アンカーを打ってそこにとどまるのだ。
バウにぶらさげるアンカーは、すぐに打てるように、そのためにそこにあると
言ってもいいとさえ思っている。
そのために、少々重くても、その船のジャストサイズのもうワンサイズ上の
大きさのアンカーを持っていてほしいと思う。
人の船に乗り、「アンカーは?」と聞くと、あまり使わないから
船室の奥にしまってある・・・と。
最悪の状況で、船の奥からそれをひっぱり出してきて、すばやく
荒れた海へ投入することは、まず不可能に思える。
いや、そうする選択肢すら、きっと持ち合わせていない。
アンカーは、夏の海水浴場の沖で、一時係留する手段だとしか、きっと
思っていない。

あるマイボートで受講していただいた船には、とても効きのいい小型のアンカーが
バウにセットされていた。
ぼくはそれに加えて、バースの下に眠っていた大きなアンカーを
バウのアンカーウェルに押し込んで置くことをオーナーに提言した。
確かに日常的に使うには大きいと感じるサイズだが
その頭がちょこんとデッキの上に見えていることで、最悪の時の
安心感につながると願うのだ。
もちろん、そんな状況にならないように、プランニングすることが
一番大切なことであるに違いないけれど・・・。

それにしてもアンカーリング技術の奥は深い。
使う「セット」の準備から、ポイントの地形、底質、風、潮・・・・・。
そして無駄のない、アクション。
急にうまくなることはない。
いろんなシチュエーションで、練習し、経験を深める必要がある。
その、基本的なセオリーの一端を、スクールではレッスンする。
でも、確かに、一端でしかない。

アンカーリングはイマジネーションが大事と思う。
見えない海底で、アンカーがどんなふうにころがり、そして刺さり
深く埋まっていくかをイマジネーションできれば、おのずとその正しい
方法はわかってくる。
ぽちゃんと落として、その重さで止まっているわけじゃない。
意思があるように動き、合理的に引っ張られ、その力で埋まってゆく。
面白い・・・と思う。
そして深い・・・と思う。

三河湾の大島周辺は、とてもアンカーの効きのよいポイント。
南の風、西の風それぞれを避ける浅いけれど入り江がある。
いい、練習ポイントだ。
佐久島は槍付けのいい練習場所。
アンカーの効きはよく、風は北西が入るが、正面から。
好きな岬、御座岬の北、白浜沖は静かで美しいポイント。
三重県、九鬼の入り江もよかった。
九州の九十九島の、入り組んだ池のような入り江も、よかった。

静かな真っ暗な入り江で、星座がわからないくらいの夜空を
見上げたいものだ。


  1. 2010/10/24(日) 23:45:48|
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メインが先か、ジブが先か

2010.10.18 Mon



数年まえの「舵」誌に、同様なテーマのコラムがあった。
それは、風があがってきたときに、どちらを先に小さくするのかという
内容だった。
最近のヨットは、ほとんどがファラー式のジブを装備していて
ジブの縮帆はイージーだ。
だからぼくは、まずはジブを小さくすべき・・と考えている。
もちろん、メインもファーラー式を装備してるヨットも増えてはいる。
どちらもイージーだとしても、やはりジブが先だ。
ジブは船の中心のマストや、舵から離れた場所に位置するため
オーバーパワーでの船のコントロールが難しい。
加えて、ガスティーな状況では、メインシート出してパワーダウンするなどの
微調整ができない。

それは縮帆の場合の話。
セイルを上げるのはどっちが先?
もちろんメインだ。
でも、メインをあげるのが億劫なのか、ジブだけでセーリングしている船を
見かけることがよくある。
三河湾や、伊勢湾や、内海ではそれもゆるされるだろう。
でも、外洋に出て、大きな波と強い風の中で、微妙なヘルムコントロールを
要求されるシチュエーションでは、マスト近くにパワーを集中さえるのが
船のスタビリティーを確保するために重要だ。
だから、ほんとうは、常日頃からメインをさっさ」とあげて
そしてそこからジブを出しアジャストしてゆく「癖」が大切と思う。
ヨットなのだ。
セイルをあげてこその、ヨットなのだ。
風が強くなったら、セイルを全部降ろしてしまう・・・それでは
ヨットのエッセンスを殺してしまう。

スクールでは何度もメインの上げ下げをする。
風の強いときも、そして凪いでいるときも。
そして、いつも口癖のように話す。
メイン、大事ですからね。
風上に登れるのは、メインのおかげなんです・・・と。


  1. 2010/10/18(月) 01:04:10|
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秋のデイレッスン

2010.10.04 Mon



週末土曜日、Uさんご夫婦に、デイレッスンを受講していただいた。
ご主人は趣味がアウトドアで、ぼくととてもクロスオーバーする同世代。
奥さまは絵を描かれるのがご趣味のとてもセンスのいい方。
素敵な透明感あふれるお二人と、秋の風の中、セーリング&レッスンを
となった。

午前中はほとんど無風だったが、翌日にむかって近づく低気圧の影響で
午後からは南東の風があがってきた。
強風というほどでもなく、「適風」の中、ヨットは快調にはしる。
Uさんのヘルムは安定していて、ヨットも喜んでいるのがわかる。
大島を西から大きく回って、クローズホールドで西浦沖へ。
そしてそこからバウダウンして、アビーム、ブロードリーチで。
何回かジャイブの練習をし、ヒーブツーも行ってからマリーナへと帰った。

少年のような、キラキラした雰囲気のUさんと、清楚感いっぱいの奥さまが
ご自分たちのライフスタイルの中のヨットを想像されているのがわかった。
山が好きな人は必ず、ヨットも好きになる。
海をゆく手段としてのヨットは、登山に似ている。
自転車好きな人も、しかり。

ぼくはお二人が帰ったあと、なんだかとてもさわやかな気分になって
いい夕方の時間を、船の上でゆっくりと過ごした。
いい日だったな、いい風だった・・・・・。


  1. 2010/10/04(月) 18:14:54|
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